魔女について

 その魔女の古き名は、王者の右腕。
 燃える炎のさらに熱い場所、その青い炎のような王の傍らに彼女はあった。
 王はいつまでもその熱い輝きを忘れないために、もう一人の自分を作った。
 もう一人の自分も王自身。その右腕にも君はなれるようにと、そう務めてくれと王は彼女に託した。
 しかし、もう一人の自分に魂を移し忘れてしまった王は、そのまま帰らぬものとなった。
 何も知らないもう一人の王は、自由気ままな蝶々になった。
 彼女は仕方がないので魔女になったが、これが案外楽しかったそうだ。
 蝶々は不規則な動きでどこかへ羽ばたく。
 魔女は蝶々を追いかける。
 蝶々は気づくだろうか?己の上にある透明な王冠の存在に。
 でもそんなことは、魔女にとってはもうあまり大事な事ではないかもしれない。今となっては…。

  • 最終更新:2018-09-25 22:52:42

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