蝋燭について

rousoku000.jpg

 永遠を約束された蝋燭は天秤の左皿でできていた。
 とある男の暗闇を照らすために産まれた。そう思っている。
 なぜなら左皿であった時の事は全く覚えていないから。
 そうやって男のそばで生きていたが、男にかかっていた魔法が解けて、男は死んでしまう。
 蝋燭は役割をなくして、それでも約束された永遠のために、消える事が出来なかった。


 ルカという少年はシリンという男にとって太陽のような存在だった。
 それはとあることがきっかけで、魔物になってしまったシリンが、魔物でもシリンでもない、囚われていない時代を共に送る事の出来た少年だったから。
 けれどシリンはルカを救う事が出来ずに死なせてしまった。
 その罪の意識と、太陽に焦がれるような想いを見抜いたのがセレイネイドだった。
 セレイネイドはシリンが好きだった。
 しかしセレイネイドは人間のように振る舞えず、シリンは彼を友人以上には見なかった。
 セレイネイドは自身の因果を断ち切るため、そして人間のようになるため、そしてシリンに愛されるために自身の存在を砕き、別の存在になる事を望んだ。
 シリンはセレイネイドの願いを叶えるために、友人を助けるためにそれに手を貸した。
 そして生まれたのが人工天使であるルカである。
 このルカは自分が人間ルカの代わりとして、シリンの心の傷を癒すために産まれたと思い込んでいる。
 そしてそのために存在する自分に誇りと喜びを持っている。けれども人工天使のルカは少女であった。
 自分はルカと少し異なり、そして自分では本当の意味ではシリンの傷を癒す事が出来ない。という事に人知れず悩んでもいた。
 そこにとある女性が現れる。その女性とシリンは親しくなり、ルカは彼を救うのはその女性だと確信して喜んだ。
 そしてそうなったが、それはセレイネイドによって作られた苑国という、シリンとルカのための苑の終わりでもあった。
 ルカはシリンと共に死ぬのならばと、終わりを受け入れていた。
 けれどルカは消えずに残ってしまった。それはルカがセレイネイドの生まれ変わりであったせいだった。
 そんなルカを待っていたのはサレンアーデだった。彼が捜していたのはセレイネイドだった。
 彼から見ればセレイネイドはおかしくなっていた。
  そんな彼に怒りを持ちその怒りを晴らすために捜していたが、見つかったのはルカだった。
 サレンアーデはここで自分の存在理由がなくなってしまった事をようやく思い知ったのだった。
 そしてそれはルカも同じだった。

 ルカとしての存在理由を失った彼女はルシェと名付けられた。
 そして彼女は特別な存在だったがとても役に立たなかった。
 魔物としての強さを失い、人のような心を持ち、弱く、少女の姿をしていた。
 そのために彼女は自分の価値に、存在理由に悩む事になるが、それはセレイネイドが望んだ事だった。
 セレイネイドの願いは成し遂げられたが、それを生まれ変わりであるルシェは感じる事が出来なかった。
 
 しかし人生はまだ続く。




人工天使というのは人工生命体の事。最初に作って世に出した人が、「これが私の天使です」と言ったためにそう呼ばれる事になった。

ルシェ というのは、ルシェが初めに名前を聞かれたときにルカという名前を否定され、その際にどもった時の発音をそのまま名前として採用された。(命名サレンアーデ)

人工天使のルカの象徴が蝋燭
人間ルカの象徴が太陽
シリンの象徴は狼(ここでは男としている)

  • 最終更新:2017-05-03 02:49:14

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード