苑国

苑国(えんこく)とは

17世紀の後半に設立した西方都学会所属の、人工生命体研究施設。
正式名称は「西方都学会 人工生命体研究 I課 ランカムカン支部」
チェルト地方から南のランカムカン砂漠の真ん中に出現した亜空間であり、世界の中に存在しながら独立した一つの小世界である。
それは高度な魔法技術によって作られた空間である。

創設者はシリン・センクラッドとセレイネイド・ヴァクトガルである。
研究施設としての責任者はシリン・センクラッドにあったが、空間所持者はセレイネイド・ヴァクトガルであった。

空間所持者とは魔法で発動する亜空間、亜世界のすべての権利を所持する存在であり、亜世界との契約者である。
そして外界との行き来ができる唯一の存在である。
空間所持者が引き継ぎの儀式なく亡くなった場合は、その権利は全空間所持者の血縁者に権利が自動で移行する。
契約者でないものがこの亜空間に入り、出る場合は、それは肉体の死を意味する。体は消滅し、魂は千世に還る。
この条件は契約者が精密に変更することが可能であるが、セレイネイドはおそらくその方法を知らなかったと思われる。

この空間は、左右に2つの棟を持つ大きな屋敷と小さな離れ、その周辺の庭が存在する、国という名前の割にはちっぽけな世界である。
世界の時間は薄明るい日の暮れ初めのような、逢魔が時の時間で止まっており、季節は秋、変わるが時間の経過がわかりにくい空間である。


この施設は被検体である、人工天使ルカが完成するまでは人工天使の研究に使われたが、対象の完成を持って、その研究は幕を閉じた、以降は被検体の維持のために運営される。
その他の研究員はそれぞれ施設内で別の研究に移った。
人工天使ルカの完成した18042年以降は、西方都学会本部からの命令で、運営方法が大きく変わり、行き場のなくなった学会員の保護と療養のための施設としての運営機能を持たされた。
そのために施設の従業員は老い先の短い者たちや、世を捨てた若者たちで形成されている。

人工天使ルカの完成の1年前の18041年から空間所持者のセレイネイド・ヴァクトガルの存在が確認できず、空間を直接行き来して報告するものがいなくなったため、本部や別の支部から使いの者が空間の境まで来て、責任者や従業員と接触して連絡をしあっていた。
従業員曰く、セレイネイドは、謎の病に侵されており、屋敷の地下で療養している。という話であった。

西方都学会は、研究の終わった施設の、特に成果のない現状を憂いており、18053年からこの施設への従業員の追加を制限している。
施設の運営の今後の扱いを定めるために、界境の狭間での会議もたびたび開催されている。

最終的には西方都学会の勝手な結論によって、この施設の稼働は停止する方向に話がまとまり、本部よりゼファイルス・スイが使わされることになったが、実際はセファイルス・スイの助手の男が遣わされた。
助手の男と一人の新たな従業員が、施設の停止のための手続きを進めたとされている。

18056年6月に施設は消滅した。

しかし空間所持者であったはずのセレイネイド・ヴァクトガルの姿はどこにもなかった。

(セレイネイドを素材として作られた人工天使ルカが、セレイネイドの血縁者とみなされ、亜空間の消滅後もラクティマリースの大地に残され、ゼファイルスの助手がその被検体を確保したが、上層部の命令によってその存在は研究もされず隠蔽された。)

  • 最終更新:2017-05-25 02:22:05

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