ルシェの思い出し日記3

ルシェの思い出し日記3

 ある日レイカが僕の世話係になって、その時から色々あって、本当にいろいろあって、僕の故郷や、かみさまや、レイカもいなくなってしまったんだけれど。

 レイカは僕の世話係の中で一番変わってた。何せみんなの中で一番僕と歳が近かった。それでもお姉さんだったけど。
 そんな人は苑国にはめったにいなくて、僕が多分失礼な質問をしたから、レイカは怒ってしまって、しばらく冷たかった。
 でも僕の知らなかった苑国の秘密は全部レイカが教えてくれた。
 レイカは優しくなかったから。
 ここに来る人はみんな余生が短い事、ここから出たら死んでしまう事、ここからは出られない事、この世界は家と庭しかない事。
 そして西方都学会という人がもうここを片付けたくてたまらない。ってこと、セイリオがそれをぎりぎりまで伸ばしていること。もう新しく人を受け入れてない事。
 全部僕には隠されていた秘密で、でも僕はそれを全部知りたかった。
 だから嬉しかったけれどつらかった。
 僕はずっとここにいられるって思っていたしずっとあると思っていたけれど。それはもうずっとみんな無理してるだけだって、わかったから…。

 レイカは花が好きで、でも薔薇は嫌いなんだそうだ。嫌な思い出があるんだって。特に青い薔薇が嫌いだって言ってた。
 青い薔薇も、薔薇もその時の僕は図鑑でしか見たことがなかった。
 苑国にはあまり花が咲かなかった。だからたくさんの花や沢山の緑の庭の話をレイカはわざと僕にして、羨ましがらせようとしてた。
 僕はまんまとはまって、とっても羨ましかったんだけど、どこかに行きたいとは思わなかった。
 そんなことをずっと覚えてて、今僕は花がとても好きだ。レイカには悪いけれど、薔薇が一番…。
 


  • 最終更新:2018-12-27 22:28:05

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